キャリアカウンセリングで相談できる内容とは？わかることやメリットも

転職を考え、今後の自分のキャリアについて悩んだときに、第三者に相談したいと思う方も多いでしょう。

そこでぜひ活用したいのがキャリアカウンセリングです。

キャリアカウンセリングはどこで受けられ、どのような内容を相談できるのでしょうか。

今回は、キャリアカウンセリングについて相談できる内容から準備すべきこと・注意点に至るまで詳しくご紹介します。

キャリアカウンセリングとは

キャリアカウンセリングとは、その名の通りキャリアについてのカウンセリングを指します。

キャリアの相談と聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょうか。「キャリア＝経歴」という印象があり、仕事・資格・昇進・昇給・スキルアップといった内容を想像する方も多いでしょう。

もちろんこれらもキャリアカウンセリングの内容に含まれますが、それだけではありません。働き方や転職、休職に至るまでさまざまな内容をキャリアカウンセリングで相談することができます。

キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントとの違い

キャリアカウンセリングを行う職種は複数ありますが、その中に「キャリアカウンセラー」と「キャリアコンサルタント」があります。この2つは似ているようで、実は異なる資格です。

キャリアカウンセラーは民間資格で、キャリアコンサルタントは国家資格です。働き方が多様化している中、国がキャリアカウンセリングの必要性を重要視するようになり、より専門的なカウンセリングができるよう2016年にキャリアコンサルタントを国家資格として定めました。

その他にも、キャリアカウンセリングに関係する資格として「キャリアコンサルティング技能士」というものがあります。こちらは国家技能検定として国が認めている検定です。

どの資格においても、キャリアカウンセリングを実施することができます。

キャリアカウンセリングが一般化した背景

キャリアに関するカウンセリングを受けるということは一般化しており、決して特別なものではありません。誰もがキャリアカウンセリングを受けることができ、活用する方は多いです。

ここでは、キャリアカウンセリングが一般化した背景についてご紹介します。背景を知れば、キャリアカウンセリングの必要性もみえてくるでしょう。

企業の雇用の変化

キャリアカウンセリングが一般化した背景には、企業の雇用の変化があげられます。高度経済成長の時代には一般的だった企業の終身雇用制度は変化し、多様化した雇用制度の中で仕事をするようになりました。

一つの企業で定年退職まで働く方もいれば、キャリアアップのために転職をする方もいます。また、正規雇用だけでは人材確保が難しく、多くの企業が非正規雇用である派遣社員や契約社員を受け入れています。

また、産休・育休のような子育て世代向けの休みだけでなく、親の介護のために介護休暇を取得する方も増えています。さまざまな働き方や雇用が認められていることで、人材確保の安定につながっています。

このような企業の雇用の変化に伴って、働く側もキャリアについて考える必要性が出てきました。

個人の働き方の変化

個人の働き方が変化していることも、キャリアカウンセリングが一般化した背景の一つです。前述したように、終身雇用制度が一般的ではなくなり、働きやすさやキャリアプランのために転職する方は少なくありません。

また、正規雇用だけでなく派遣社員・契約社員・パートのような働き方があるほか、経験やキャリアを活かしてフリーランスとして活躍したり独立・起業したりする方も増えてきています。

昇進や昇給を目指すのではなく、ワークライフバランスを重視した働き方を選びたいと考えることが当たり前となり、企業側もそれに応える必要性が高まっています。企業の雇用とともに個人の働き方が変化しているからこそ、自分自身のキャリアについて相談したいと思う機会が増えているのです。

キャリアカウンセリングで相談できる内容

キャリアカウンセリングが一般化している中で、実際にどのようなことを相談できるか知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか。「こんなことを相談しても大丈夫？」「これは相談の対象外かな？」といった不安な思いから相談を躊躇してしまうこともあるかもしれません。

キャリアカウンセリングで相談できる内容の例を5つご紹介します。

1. 今の仕事が自分に合っているかわからない
2. キャリアプランの立て方を知りたい
3. 就職や転職に向けて何をすべきか知りたい
4. 産休・育休、休職について知りたい
5. 面接や書類選考に向けた対策をしたい

キャリアカウンセリングではこのように幅広い相談が可能です。ご自身の不安・悩みと照らし合わせ、相談を検討してみてください。

それでは一つずつ詳しくみていきましょう。

1.今の仕事が自分に合っているかわからない

キャリアカウンセリングでは、現在の仕事が自分に合っているかどうかを相談することができます。「やりがいはあるけれど無理をしている気がする」「もっと自分の力を試したい」「キャリアチェンジを考えている」など、今の仕事について悩んでいる方は利用してみましょう。

現職が自分に合っているかがわからないと悩む方は、決して少なくありません。そして、悩みの内容や解決の糸口は人それぞれです。このような仕事に関する抽象的な悩みも、キャリアカウンセリングで相談することができます。

第三者目線で客観的にアドバイスをしてくれるため、それまで自分が気づかなかったことに気づける可能性があります。

2.キャリアプランの立て方を知りたい

キャリアアップやキャリアチェンジなど、自分自身のキャリアについて考えるときにはキャリアプランを立てることが重要です。しかし、キャリアプランを立てたことがない、立て方がわからないという方ももちろんいます。

キャリアカウンセリングでは、キャリアプランの立て方のアドバイスを受けることができます。また、キャリアプランを立てるにあたってキャリアの棚卸しをすることも大切です。キャリアの棚卸しをすることで、自分のスキルや経験を洗い出し自分の強みを見出すことにつながります。

キャリアの棚卸しやキャリアプランを立てることは、転職活動の際にも役立つでしょう。

3.就職や転職に向けて何をすべきか知りたい

就職・転職のための具体的な内容も、キャリアカウンセリングで相談することができます。特に初めて就職や初めての転職という方は、早めにプロに相談することで失敗を防げるでしょう。

働きたい業界や職種が決まっている方はもちろん、漠然と転職を考えているという方でもカウンセリングが受けられます。

求人情報を集める方法や求人票の見方、スケジュールの立て方など、今やるべきことのアドバイスがもらえます。

4.産休・育休、休職について知りたい

キャリアカウンセリングでは、現在働いている方が、産休・育休・休職といった長期休暇をとる場合の相談も可能です。休職にはさまざまな種類があり、親の介護のための介護休暇や、自身の体調のための休暇も含まれます。

どのような休職にしても、復職やその後のキャリアについて悩む方は少なくありません。休職中の過ごし方や復職後のことをキャリアのプロに相談することで、漠然とした不安を解消できるでしょう。

5.面接や書類選考に向けた対策をしたい

面接や書類選考など、転職活動の対策も、キャリアカウンセリングで相談することができます。

採用試験においては、書類選考を通過しないと面接に進めないことがほとんどです。そのため、書類のクオリティは非常に重要なポイントとなります。

採用担当者は、履歴書の書き方から職務経歴書の記載方法、自己PRや志望動機に至るまで細かなところをチェックしています。一人で転職活動をしていると、なかなか第三者からの意見を聞くことができず、独りよがりの内容となってしまいがちです。

このような時も、キャリアカウンセラーに書類の添削をしてもらったり、より良い書き方のアドバイスを受けることができます。

また、面接でよく聞かれる内容や自己PRの方法も、キャリアカウンセリングでレクチャーしてもらえます。

キャリアカウンセリングを受ける方法

キャリアカウンセリングが一般化しているとはいえ、どこで受けられるのかはあまり知られていないものです。

ここでは、キャリアカウンセリングを受ける方法を3つご紹介します。さまざまな方法で受けることができるため、自分に合った方法をみつけてください。

1. ハローワークで相談をする
2. 無料のキャリアカウンセリングを受ける
3. 有料のキャリアカウンセリングを受ける

一つずつ解説していきます。

1.ハローワークで相談をする

地域ごとに設置されているハローワークでは、キャリアカウンセリングが行われています。

ハローワークといえば、求人紹介や失業中のサポートをイメージする方も多いでしょう。キャリアカウンセラーが常駐しているハローワークなら、仕事探しだけではなく、自分自身のキャリアに関する相談ができます。公的機関であるハローワークだからこその安心感があるため、気軽に利用できるでしょう。

また、地元で働きたいといったニーズがある場合に、エリアに強い求人情報を多く所有しているという点もメリットです。

2.無料のキャリアカウンセリングを受ける

民間企業が実施している、無料のキャリアカウンセリングを受けるという方法もあります。

無料のキャリアカウンセリングを実施している企業として、転職エージェントが挙げられます。転職エージェントは無料で登録でき、登録することでキャリアカウンセラーへの相談が可能になります。

転職エージェントのキャリアカウンセラーは、多くの人の転職をサポートしてきたプロです。キャリアプランや転職について経験と実績のあるプロの目線からアドバイスしてもらえるのは、転職エージェントに登録するメリットといえます。

転職エージェントによるキャリアカウンセリングは電話やオンラインにも対応しているところが多いため、仕事や家事・育児で忙しい方も受けやすいのが特徴です。

3.有料のキャリアカウンセリングを受ける

ハローワークや転職エージェントは無料で利用できるため、気軽に利用できます。しかし、費用をかけてとことんキャリアの相談がしたいという場合は、有料のキャリアカウンセリングを利用することもできます。

有料のキャリアカウンセリングは時間制になっていることが多く、持ち時間をフルに活用して相談が可能です。

セッションが決まっていて複数回に分けて相談できるところもあり、自己分析やキャリアプランの形成なども行います。時間をかけてじっくりとキャリアカウンセリングを受けることができるため、自分のキャリアと向き合うのに十分な相談ができるでしょう。

キャリアカウンセリングに向けた準備

キャリアカウンセリングで相談できる内容や方法がわかったところで、次にカウンセリングに向けた準備をご紹介します。「とりあえず相談したい」と思って何も準備をせずに受けることは避けましょう。事前に準備をしておくことで、限られた時間内でも充実したキャリアカウンセリングを受けることができます。

キャリアに関する要望や不明点をまとめる

キャリアカウンセリング前の準備として、キャリアに関する要望や不明点をまとめておきましょう。要望や知りたいことがはっきりしないままキャリアカウンセリングを受けると、キャリアカウンセラーに要点が伝わらず適切なアドバイスが受けられなくなります。

何を聞きたいのか・何がわからないのか・自分がどうしたいのか・どうなりたいのかといったことを書き出し、頭の中の整理をしておくとよいでしょう。要点をまとめてカウンセリングを受けることで、具体的な内容の相談ができ、より的確なアドバイスをもらうことができます。

履歴書・職務経歴書を用意する

キャリアカウンセリングを受ける際には、履歴書・職務経歴書を用意しましょう。履歴書・職務経歴書によって、これまでの仕事内容や経験・スキルが明確にわかります。

これらをもとにキャリアカウンセリングが行われるため、持参するように言われることがほとんどです。その場で説明するよりも書類がある方がわかりやすく明確なため、特に指示がなかった場合でも用意しておくことをおすすめします。

キャリアカウンセリングの注意点

キャリアカウンセリングを受けるときには、いくつかの注意点があります。注意点を押さえておかないと、効果的なカウンセリングにつながらないため注意しましょう。

まず、キャリアカウンセリングで話す内容に嘘偽りがあってはいけません。学歴・経歴・資格など、正直に話すことが重要です。転職の選考面接ではないため、ネガティブな内容だとしても退職や転職の理由も正直に伝えましょう。

次に注意したいのが、キャリアカウンセリングの担当者との相性です。人間対人間である限り、相性の良し悪しはありえます。もし相性が悪いと感じたら、担当者を変更してもらうことをおすすめします。

相性の悪い担当者とのやりとりが続いてしまうと、正直に話ができなくなったり、相手に上手く伝わらなかったりと非効率的です。担当者を変更してもらえない場合は、キャリアカウンセリングのサービスそのものを変更するのも一つの手です。

転職エージェントなら同時に複数のエージェントサービスを登録が可能であるため、キャリアカウンセラーとの相性を見極めることができます。

まとめ

今回は、キャリアカウンセリングで相談できる内容や、相談する方法についてご紹介しました。

企業の雇用制度や個人の働き方の変化によってキャリアカウンセリングを受ける人は増え、一般化しています。キャリアカウンセリングでは、仕事やキャリアのことだけでなく、休職や転職についての相談も可能です。キャリアのプロに相談することによって、今まで気づけなかった自分や、新しい道に気づくことができるかもしれません。

キャリアカウンセリングは、ハローワークや転職エージェントなどで受けることができます。有料のキャリアカウンセリングもありますが、転職エージェントなら無料でキャリアのプロに相談できるためおすすめの方法です。

キャリアで悩むこと、不安なことがあれば一人で抱え込まずにキャリアカウンセリングを検討しましょう。