ヘッドハンティングによる転職とは？仕組みや流れを徹底解説

ヘッドハンティングによる転職を考えている方は多いです。しかし、「どのようにヘッドハンティングされるのか」「転職エージェントとの違いは何なのか分からない」という方もいるでしょう。

今回は、ヘッドハンティングの種類や登録から内定までの流れ、ヘッドハンティングを受けた際の対処法などについてご紹介します。

「ヘッドハンティング転職」とは？

「ヘッドハンティング転職」という言葉を聞く機会が増えた方は多いのではないでしょうか。ヘッドハンターから実際に連絡が来て驚いたという経験がある方もいるでしょう。近年注目されているヘッドハンティングですが、そもそも「ヘッドハンティング」とはどのようなものなのでしょうか。まずは、ヘッドハンティングの概要をご紹介します。

ヘッドハンターと転職エージェントの違い

ヘッドハンターと転職エージェントは、どちらも企業と人材の架け橋をする存在です。転職エージェントは転職希望者の転職をサポートをしてくれますが、ヘッドハンターは必ずしも転職希望者をヘッドハンティングするとは限りません。

ヘッドハンターと転職エージェントでは、対象とする層に違いがあります。転職エージェントに登録すると希望に合った求人を紹介してくれますが、それはヘッドハンティングというわけではありません。転職エージェントが普及した現代では、ヘッドハンティングと混同されることがありますが、従来のヘッドハンティングとは異なるというのを頭に入れておきましょう。

従来の「ヘッドハンティング」

転職方法の一つとしてヘッドハンターが注目されていますが、それは従来のヘッドハンティングとは異なる意味合いを持ちます。従来のヘッドハンティングは、企業の内部の人が外部の優秀な社員に直接転職を打診する方法です。

これまでは、ヘッドハンティングというとこちらの方法がメインでした。しかし、転職希望者の増加や企業の人材不足など、さまざまな背景によってヘッドハンティングも変化してきているといえます。

ヘッドハンティングの種類

ヘッドハンティングには、大きく分けて2つの種類があります。ヘッドハンティングの転職に興味がある場合は、その種類を知っておくことをおすすめします。ここでご紹介するのは、「サーチ型」と「登録型」の2種類です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

サーチ型

サーチ型は、ヘッドハンターが企業からの依頼を受けて人材を探し、ヘッドハンティングする方法です。ヘッドハンターはその企業の人間ではなく、ヘッドハンティング会社に登録している人という特徴があります。ヘッドハンターが人材を探す方法は、企業のホームページやSNS、展示会など、さまざまです。

ヘッドハンターが人材を探すという点から分かるように、声がかかるのは転職希望者とは限りません。転職サイトに登録していないのに連絡が来るとなると、戸惑ってしまう人も多いでしょう。

しかし言い換えると、ヘッドハンターの目につくほど活躍が期待できる人材であるということになるのです。

登録型

登録型は、転職希望者がサービスに登録し、ヘッドハンターが企業と登録者をつなぐ形態です。職歴や経験、スキル、希望職種、希望年収など、さまざまな内容を登録します。そして、企業が求める人材にマッチする登録者に、ヘッドハンターが連絡をする仕組みです。

自分で求人を探すよりも、効率良く転職活動ができる可能性があります。非公開求人を扱っていることも多いため、より条件の良い転職先に出会えるかもしれません。

しかし、登録型のヘッドハンティングは、サーチ型よりも競争率が高くなるのがデメリットです。

また、好条件の求人があっても、登録者が多ければ、より経験やスキルを保有している人がヘッドハンティングされる可能性があります。

ヘッドハンティングから転職までのステップ

ヘッドハンティングの概要が分かったところで、次にヘッドハンティングから転職までのステップをご紹介します。ここでご紹介するのは、前述したヘッドハンティングの「登録型」についてです。

自分に合った転職先や好条件の転職先に出会うなら、ヘッドハンティング型の転職サービスを利用するのも一つの手です。登録から内定獲得までのステップを見ていきましょう。

1.ヘッドハンティング型の転職サービスに登録

ヘッドハンティングによる転職を希望する場合、まずはヘッドハンティング型の転職サービスに登録をします。登録の際に、氏名や年齢、連絡先などの基本情報の他、職種や経験、資格などを入力することが多いです。また、転職を希望する業界・業種や勤務地、希望年収といった条件も入力します。

入力事項は転職サービスによって異なるため、登録したサービスに従って入力していきましょう。できるだけ具体的に入力したほうが、ヘッドハンターからの連絡が来る可能性が高まります。

転職サービスに登録した個人情報は、企業は閲覧できないため、外部に漏れる心配はありません。安心して記載しましょう。

2.ヘッドハンターから連絡が来る

転職サービスに登録をしたら、ヘッドハンターから連絡が来るのを待ちましょう。ヘッドハンターは登録者の経歴やスキル、希望条件などから、企業が求める人材がいるかをチェックしています。企業が求める人材にマッチしていれば、登録者に連絡が入ります。

もし、登録したにも関わらず連絡が来ないのであれば、情報が少ないか希望条件が高すぎるのかもしれません。連絡がなかなか来ないと思ったら、一度登録情報を見直してみましょう。

3.ヘッドハンター・キャリアアドバイザーと面談

ヘッドハンターから連絡が来たら、ヘッドハンターまたはキャリアアドバイザーと面談をします。提示された求人情報を確認し、応募するかどうかを決めましょう。この面談は、登録者と企業がマッチするかどうかをヘッドハンターが判断する場でもあります。

そのため、ネガティブな発言や自分を過大評価するような発言は避けるのが無難です。

また、面談がスムーズに進むように、履歴書や職務経歴書を作成しておくことをおすすめします。

4.企業との面談

求人に応募したら、いよいよ企業との面談です。ヘッドハンティングといっても、登録型の場合は、通常の転職の際の面接と同じと思っておきましょう。面談は1回ではなく、複数回行われる場合もあります。

また、ヘッドハンティングだからといって、必ずしも内定がもらえるわけではありません。面接に臨むつもりでしっかりと対策をしておきましょう。

5.入社条件を調整し、内定

面談後に、内定か否かの連絡が入ります。内定が出たら入社条件が提示されるため、年収や仕事内容などが希望に合っているかどうか確認してください。入社後に後悔しないように、内定承諾の前にしっかりと確認しておくことが大切です。

入社条件について交渉が必要であれば、ヘッドハンターを通じて交渉をします。入社日の調整なども、ヘッドハンターが仲介に入ってくれるのが安心できるポイントです。

ヘッドハンティングによる転職者が増加している理由

近年では、ヘッドハンティング型の転職サービスを利用して転職をするケースが増えています。そこには、転職のチャンスを増やしたいという転職希望者の思いも反映されていますが、企業側の課題や背景もあるのです。

ここでは、ヘッドハンティングによる転職者が増加している理由を3つご紹介します。理由を知っておくことで、ヘッドハンティング型転職サービスへの理解も深まるでしょう。

深刻な人材不足が続いているため

多くの企業では、深刻な人材不足が続いているため、ヘッドハンティングによる転職者が増加しています。さらには、現代では終身雇用制度が崩壊しており、キャリアアップやスキルアップのために転職をする人は少なくありません。

そのため、経験やスキルを保有している人材を確保し続けることが、企業にとって大きな課題になっているのです。そういった背景から、多くの企業が転職サービスやヘッドハンティングサービスを活用するようになりました。

ITなどに特化した人材を求める企業が増えているため

ITなどに特化した人材を求める企業が増えているのも、ヘッドハンティングによる転職者が増えている理由の一つです。

ITエンジニアやプログラマー、ゲーム、WEBデザインなどの専門性のある分野に特化した人材は、IT化が進む現代において重要な存在といえます。そんなITなどに特化した人材を確保するために、ヘッドハンティングを利用している企業が増えているのです。

また、ITを専門とする人材の中でも、キャリアアップやスキルアップのために転職をする方は少なくありません。人材を求める企業と転職を希望する人材の需要と供給がマッチしているからこそ、ヘッドハンティングによる転職が増えているといえます。

経営層の後継者不足が深刻化しているため

終身雇用制度の崩壊だけでなく、経営層の後継者不足が深刻化している企業は多いです。ひと昔前は経営者の親族が後継者になるのが当然という風潮がありましたが、現代では必ずしも経営者の子どもが後継者になるとは限らず、有能な人材が跡を継ぐ企業は少なくありません。

そうはいっても、その後継者を見つけるのに苦労する企業が多いのが現状です。後継者になるためには、経営の知識や経営方針への理解、人柄など、さまざまなものが求められます。

社内の人材から後継者を出すのが難しいのであれば、外部の人材に来てもらう必要があるでしょう。このような背景から、後継者になれるような人材をヘッドハンティングする企業が増えています。

ヘッドハンティングを受けた場合の対処法は？

転職サービスに登録していなくても、ヘッドハンティングを受けるケースがあります。それは、前述したサーチ型のヘッドハンティングです。ヘッドハンターから連絡が来ると、驚きや喜びとともに、「本当に大丈夫？」という不安もあるでしょう。ここでは、ヘッドハンティングを受けた場合の対処法を2つご紹介します。

まずは信頼性の確認

ヘッドハンティングを受けたら、まず信頼性を確認しましょう。いきなりヘッドハンターから連絡が来ても、信じて良いのかどうか不安になる方が多いはずです。

ヘッドハンティングの信頼性を確認するために、ヘッドハンターが所属する会社名や厚生労働省の認可の有無を聞きましょう。ヘッドハンターはヘッドハンティング会社に所属し、企業からの依頼によって活動をしています。

そのため、ヘッドハンティング会社が厚生労働省の認可を受けているのであれば、信頼できることが分かります。

万が一、ヘッドハンターが自分の素性を話すのを拒むようであれば要注意です。また、個人情報を無暗に聞き出そうとする場合や、仕事とは関係のない話をしてくる場合も信頼できない可能性があるため、注意してください。

入社条件の調整

ヘッドハンティングを受けたら、入社条件をしっかりと確認することが重要です。オファーを受ける前に、条件が自分に合っているかどうかを確認をしてください。

年収が今より低い場合や希望より低い場合は、入社後に後悔する可能性が高いです。年収は条件に記載されているはずなので、確認をして希望に合わなければヘッドハンターに調整を依頼しましょう。

また、仕事内容やポジション、待遇に至るまで、待遇は詳しく確認しておくことをおすすめします。ヘッドハンティングの場合は、企業からの期待度が高く、本人が思っている以上のことが求められるケースも少なくありません。

条件をしっかりと確認した上で、内定か辞退かを決めましょう。辞退するとしても、将来的に転職の可能性がないとはいえません。ヘッドハンターや企業に失礼のないように丁寧に対応することが大切です。

転職するならヘッドハンティング以外のサービスも活用しよう

ヘッドハンティングによる転職は増えていますが、転職を成功させるならヘッドハンティング以外のサービスも活用することをおすすめします。

ヘッドハンティングは、好条件の求人を紹介してくれることが多いですが、好条件だからという理由だけで転職を決めてしまうのはやめましょう。転職は今後のキャリアにつながる重要なイベントです。そのため、キャリアプランについてじっくりと考え、自分のやりたいことや成し遂げたいことを可能にする企業に転職する必要があります。

ヘッドハンティング型の転職サービスと使う場合でも、転職エージェントを併用するというのも一つの手です。転職エージェントであれば、キャリアの相談や非公開求人の紹介、選考対策などさまざまなサポートをしてくれます。

転職を成功させるためにも、自分に合った転職方法・転職サービスを検討してください。

まとめ

今回は、ヘッドハンティングによる転職についてご紹介しました。

ヘッドハンティングにはサーチ型と登録型の2種類があります。サーチ型はヘッドハンティング会社のヘッドハンターが企業からの依頼によって人材を探す方法です。一方、登録型のヘッドハンティングは、転職サービスに登録するとヘッドハンターから連絡が来る仕組みです。

転職を考えているのであれば、ヘッドハンティングを利用できる転職サービスに登録しましょう。ただし、転職サービスはヘッドハンティングだけではありません。より自分に合った転職先を探すためにも、転職エージェントなどのヘッドハンティング以外の方法も検討しましょう。