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「キャリアデザイン」の意味や定義・設計方法までわかりやすく解説

人生の大きな転機やキャリアに対する不安を感じた際、自分自身の方向性を見出すことができる手段として、最近ではキャリアデザインを見直すことが増えています。

しかし、一言でキャリアデザインといっても、具体的に理解しているという方はそれほど多くはないのではないでしょうか。

この記事では、キャリアデザインの基本的な考え方や設計方法、そのメリットなどについて解説します。

キャリアデザインとは?

キャリアデザインとは、自分の職業人生を主体的に設計し、実現していくことを指します。

価値観や考え方が大きく変わる社会のなかで、自分のキャリアについて向き合わなければならない場面が増えました。

終身雇用や年功序列の制度が衰退化している今の日本では、在籍している企業があなたのキャリアを守ってくれるとは限りません。

そのため、自分の将来を切り拓いていくためには、キャリアやライフスタイルを自分自身で考えていく必要があります。

「キャリア」を構成する3要素

キャリアデザインを設計するためには、最初に「キャリア」を構成する3要素を押さえておくことです。

  • キャリアを構成する要素①「知識・技能」

自分自身の強みとなる知識や技能を把握しておくことで、自分の未来にどのような可能性があるのかを整理することができます。

  • キャリアを構成する要素②「行動・思考特性」

自分の行動パターンや思考特性を理解すれば、どのような仕事に適正があるのかを知るきっかけが得られます。

知識や技能などの数値的に計測しやすい指標とは異なり、自分の行動や思考の傾向は個人の性格に直結する要素です。

自覚するのが比較的難しいため、周りの意見を取り入れながら自分自身を振り返ると良いでしょう。

  • キャリアを構成する要素③「マインド・価値観」

自分の適性や専門スキルを踏まえたうえで、「本当にやりたいことは何か」を明らかにしなければ、納得のいくキャリアを形成することはできません。

やりたいことを見つけられない場合は、関心のある分野を幅広く視野に入れて徐々に具体化していくという方法があります。

キャリアデザインが重要視される理由

キャリアデザインは、もともと1978年にMary Valentich氏によるソーシャルワークの博士論文で初めて定義された考え方です。

しかし、実際に重要性が高まり、一般的に広く知られるようになったのはここ数年の話です。

社会の変化によって企業や個人の価値観が大きく変わったことにより、人生におけるキャリアプランを自分で考えることの重要性が高まりました。

キャリアデザインが重要視されるようになった理由について、下記で詳しく解説します。

社会・企業・個人の変化による影響

キャリアデザインが重視されるようになった背景には、社会の構造が変革しつつあることが関係しています。

インターネットの拡大やグローバル化によって企業同士の競争が激化し、ビジネスが発展するスピードが上がりました。

その結果、企業側は即戦力となる社員の登用に積極的になり、新卒一括採用だけでなく優秀な社員を他社から引き抜くことが珍しいことではなくなったのです。

個人としても、一つの企業で働き続けるのではなく、キャリアアップとして転職を繰り返すことによりスキルを磨き、経験を積むことが一般的になりつつあります。

そのため、キャリアデザインを形成してより計画的に人生の設計を行うことが重要になったといえるでしょう。

キャリアデザインが必要な人の特徴

人によっては、キャリアデザインをするまでもなく自分の人生設計ができていることもあります。

自分のなかで将来の夢がはっきりとしており、そこに至るまでの道筋が明確になっていれば、あえてキャリアデザインをする必要はないかもしれません。

では、具体的にどのような人にとってキャリアデザインが必要となるのでしょうか。

ここでは、キャリアデザインが必要な人の特徴について解説します。

自分が何をやりたいのかわからない

転職先を探すときに「自分がやりたいことを基準に考えよう」と言われても、自分が何をやりたいのかわからないという人もいます。このようなケースでは、キャリアデザインが効果的です。

キャリアデザインをすることで、自分自身の強みや価値観を明確にでき、自分が何をやりたいのかが見えてくる可能性があります。

また、自分に合った職種や業界を探す手がかりにもなり、将来のキャリアプランを立てる際にも役立ちます。

なんとなく現職に不満や不安がある

現職に不満や不安を感じているという方にもキャリアデザインは必要です。

そのような状況のなかでキャリアデザインを行うと、自分自身の価値観やスキル、興味関心などを客観的に見つめ直すことができ、自分にとって本当に大切なことや望んでいるキャリアを明確にすることができます。

また、自分自身を客観視することで自己理解を深め、今後の方向性を考えられるため、具体的なキャリアプランの設計にもつながります。

キャリアデザインの設計方法

キャリアデザインを通じて、現在の仕事に対する不満や不安を払拭することができます。

しかし、自分自身だけで設計することは簡単なことではありません。

そのため、自分自身を知るさまざまな方法を活用することで、より具体的かつ効果的なキャリアデザインが可能となります。

ここでは、キャリアデザインを設計する方法を6つのステップで紹介します。

  1. 過去のキャリアの洗い出し
  2. 心理テストや適性検査の実施
  3. 第三者からのフィードバック
  4. 将来のキャリア・目標を書き出す
  5. キャリアステップを設計する
  6. 「今何をすべきなのか」を明確にし、実行する

主観・客観で自分自身のことを知り、それを踏まえて未来の姿をイメージし、辿り着くまでの道筋を考える、というのが大まかな流れになります。

一つずつ見ていきましょう。

1.過去のキャリアの洗い出し

キャリアデザインを設計するには、まず過去のキャリアを洗い出してみましょう。

自分がこれまでにどのような職務や経験を積んできたのかを振り返り、そのなかで得たスキルや能力を整理することが重要です。

これによって、自分自身の強みや弱み、興味や関心のある分野などが明確になります。

また、過去のキャリアを振り返ることで、自分が今後どのような方向性を目指すべきかを考える材料にすることができます。

2.心理テストや適性検査の実施

キャリアという定量化しやすい自己分析ができたら、続いて自分の深層心理を把握します。

心理テストや適性検査は、自分自身の性格や能力について客観的に把握するために役立ちます。自分では気づいていない長所や短所を発見でき、自分に合った職種や職務内容を知ることができます。

そういった自分の強みや弱みを知ることで、適職を見つける手助けになるでしょう。

また、今まで気付けなかった潜在能力を発見し、今後のキャリアの方向性を見い出すことが可能です。

自己認識を深めることで自分自身の可能性に気づき、より自分に向いているキャリアを選択できるようになります。

3.第三者からのフィードバック

ここまでで分析できた内容を、一度第三者からフィードバックしてもらいましょう。

周りの人や専門家に自分のキャリアについて話してアドバイスをもらうことで、どれだけ自分自身に近い自己分析ができたかがわかります。

また、自分のキャリアに対する他者の認識を知ることで、新たなキャリアのアイデアを得ることも可能です。

4.将来のキャリア・目標を書き出す

自己分析が完了したところで、将来のキャリアと目標を書き出してみましょう。キャリアデザインの設計方法のなかでも非常に重要なステップです。

このステップでは、自分が将来どのようなキャリアを積んでいたいのか、どのような目標に向かっているのかを具体的に描くことがポイントです。

自分自身の過去の経験やスキル、興味関心、ライフスタイルなどを考慮し、現実的かつ実現可能な目標を設定しましょう。

5.キャリアステップを設計する

4.で描いた将来像に辿り着くまでの道筋を考えましょう。この道筋を「キャリアステップ」といいます。

キャリアステップを設計するには、将来のキャリア目標に基づいて、どのようなスキルや経験を必要とするかを数年単位で段階的に洗い出し、それに向けて必要な教育やトレーニングを計画することが重要です。

また、現在の職場や業界から転職する場合は、そのための具体的なアクションプランもキャリアステップに含まれます。

具体的かつ実行可能なキャリアステップにするために、仕事以外のライフスタイルも考慮しましょう。

6.「今何をすべきなのか」を明確にし、実行する

キャリアデザインは最後に「今何をすべきなのか」を明確にし、実行することで完成します。

5.のキャリアステップが現実的に設計できていれば、今できることが必ずあるはずです。「現職で◯◯という実績を作る」、「転職活動を始める」といったto doを実行し、キャリアステップの第一歩を踏み出しましょう。

今後も着実に目標を達成していくために、定期的にキャリアステップを振り返ります。

キャリアデザインの設計によって変わること

キャリアデザインの設計をすることで、自分自身のキャリアについて深く考え、将来のビジョンを描くことができます。

それによって、今後のキャリアに関する不安や不満が解消でき、自分にとって最適な働き方の実現につながるでしょう。

キャリアデザインの設計によって変わることを詳しく解説します。

現在勤めている会社での将来像が見える

キャリアデザインの設計によって、自分自身の適性や価値観を把握し、自分にとって最適なキャリアの方向性を明確にすることができます。

その結果、現在勤めている会社での将来像が見えるようになります。その将来像が最終的な目標に一致すれば現職のままキャリアを積み、一致しなければ転職を検討しましょう。

計画的に転職活動ができる

事前にキャリアデザインが設計してあれば、スムーズかつ計画的な転職活動が可能です。

転職先の職種や求める条件を、自己分析に基づいて決めることができるためミスマッチも少なくなるでしょう。

いくつかの企業から内定をもらった場合も、キャリアステップに最も近いのはどれかを基準に正しく選定することができます。

「人生100年時代」に向けた働き方ができる

平均寿命が伸び、定年退職後も仕事をする人が増えたいわゆる「人生100年時代」では、できるだけ若い段階で長期的なキャリアを考える重要性が高まっています。

「自分にはまだ先のこと」と考えずに、今やっている仕事がこれからの自分のキャリアの一部であることを常に意識しましょう。

キャリアデザインを設計することで、人生や資産の計画にそった働き方ができるようになります。

キャリアデザインの不安はプロに相談しよう

キャリアデザインは自分自身の人生に大きく関わる重要なものです。

この記事で紹介した手順で設計してみても、なかなかうまくできないこともあるでしょう。

キャリアデザインに関する不安や疑問がある場合は、プロのキャリアカウンセラーに相談することをおすすめします。

専門家は、経験と知識をもとに個人に合ったキャリアのアドバイスや適切なアクションプランを提供してくれます。一人で悩まずに転職エージェントやプロのキャリアカウンセラーによるサポートを受けることを検討しましょう。

まとめ

この記事では、キャリアデザインのメリットや具体的な手順などについて解説しました。

自分が何をやりたいのかわからなくなってしまった人や、仕事について不満や不安を抱えている人は、まずキャリアデザインを設計することが効果的です。

キャリアデザインを設計することによって、自分の将来像を想像しやすくなり、今やるべきことが明確になるというメリットがあり、人生100年時代に向けた働き方ができるようになります。

個人でキャリアデザインを設計することが難しい場合は、プロのキャリアカウンセラーに相談してみましょう。転職エージェントなら、登録するだけで無料でキャリアに関するカウンセリングを受けることができます。

「自分自身のキャリアの見直しをしたい」という方は、プロによるサポートを検討してみてはいかがでしょうか。

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